icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻12号

1998年11月発行

文献概要

技術講座 生化学

浸透圧の測定

著者: 竹立精司1

所属機関: 1国立大阪南病院附属臨床検査技師学校

ページ範囲:P.1039 - P.1044

文献購入ページに移動
新しい知見
 血清や尿の浸透圧の測定は体液の濃縮・希釈の傾向を知るだけでなく,高ナトリウム(Na)血症,低Na血症,視床下部-下垂体後葉系におけるADH(抗利尿ホルモン)分泌異常や,多尿あるいは乏尿が見られるときに腎での尿濃縮(または希釈)機構が正常に作動しているか否かの判定と原因の検索に用いられる.また,体液の総モル濃度が測定できることから,手術,点滴,輸血,尿量異常,下痢,嘔吐時の緊急検査として,透析室やICUなどで測定されていることも多い.
 浸透圧の測定は,血清浸透圧単独では臨床的意義に乏しいことや,尿浸透圧は比重とよく相関することから,実施していない検査室も多いが,自動分析装置の進歩により簡単・迅速かつ高精度になってきており,臨床的な有用性も高いため,日常検査にも導入する意義はあると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?