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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻12号

1998年11月発行

文献概要

けんさアラカルト

ウイルス検査に用いる長期間使用可能な赤血球浮遊液の調製法

著者: 持田恭1

所属機関: 1島根県衛生公害研究所

ページ範囲:P.1066 - P.1067

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 ウイルス検査を行うとき,生理食塩水またはリン酸緩衝液(phosphate-buffered sodium;PBS)で調製した赤血球浮遊液が使用されている.一度調製した赤血球浮遊液は,日を変え,3回から4回,検査ごとに赤血球浮遊液を混ぜて使用すると1週間後には溶血を起こし,検査に使用できなくなり,新鮮な血球が必要となる.そこで,より長期間,使用が可能で,しかも検査成績(赤血球の凝集性)に悪影響を与えない浮遊液の調製法について検討した.
 その結果,図に示したように生理食塩水またはPBSに,最終濃度が0.15%ウシ血清アルブミン(bovine serum albimin;BSA)と1%グルコース(0.99%)になるようにBSAとグルコースを加えたところ,日を変えて週に2回ないし3回,検査のたびに赤血球浮遊液を穏やかに混ぜて使用しても,約1か月間溶血することなく,しかも検査成績〔HA(hemagglutinating activity,赤血球凝集活性)価,HI(hemagglutination inhibition,赤血球凝集抑制)抗体価などの赤血球凝集性〕に支障がない結果(表1,2)が得られたので,ここに紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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