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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻12号

1998年11月発行

文献概要

トピックス

コクシジオイデス症

著者: 紺泰枝1

所属機関: 1東京厚生年金病院中央検査室

ページ範囲:P.1103 - P.1106

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はじめに
 コクシジオイデス症(coccidioidomycosis)は輸入真菌症(imported mycosis)の1つであり,コクシジオイデス(coccidioidis)そのものは日本国内には棲息していないが,外国で感染した者が帰国や来日で発症,あるいは感染地域からの輸入物資の取り扱いなどによって発症する.現在,輸入真菌症の対象となるのはコクシジオイデス症,ヒストプラズマ症(histoplasmosis),ブラストミセス症(blast mycosis),パラコクシジオイデス症(para-coccidioidomycosis)およびマルネッフェイ型ペニシリウム症(penicilliosismarneffei)の5疾患である.このうちコクシジオイデス症の原因菌であるコクシジオイデス・イミチス(Coccidioidis immitis)はあらゆる病原真菌の中で最も危険な真菌といわれている.それは培養で生じた分節型分生子のわずかな吸入(10個以内)で感染が成立することである.これは感染した分節型分生子に対する生体側の細胞反応が極めて弱いためとされている.
 筆者は1994年に前腕の皮疹から診断されたコクシジオイデス症の1例を経験した.本症については外国の成書1),宮地2)の総説に詳しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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