検査と技術26巻13号

1998年12月発行

技術講座 生理

スパイロメトリー

著者： 久良木隆繁¹ 石橋正義¹ 𠮷田稔¹

所属機関： ¹福岡大学医学部第2内科

ページ範囲：P.1149 - P.1154

新しい知見
　最近の電子技術の進歩により，呼吸機能測定においても，スパイログラムとフロー・ボリューム曲線の同時記録が可能で小型化した機器が登場してきた．これにより，外来診療や患者の自宅・職場においても手軽に呼吸機能が測定可能となっている．しかし，測定値の自動算出が可能になった反面，機器内部のブラックボックス化により，測定原理の理解が伴わず，数値のみでの評価の傾向も多く見受けられることとなった．
　スパイロメトリーは呼吸機能の入口のスクリーニング検査として換気能力を把握することが可能である．にもかかわらず，今1つ普及が進まない理由として，スパイロメトリーが患者の最大努力を必要とすること，かつ測定手技について熟練が要求されることなどが指摘されている．