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ストレス蛋白質Hsp90—分子シャペロンとしての働き
著者: 南康文1
所属機関: 1大分医科大学医学部生化学第一
ページ範囲:P.187 - P.189
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ストレス蛋白質ははじめ熱ショック蛋白質と呼ばれた.それは,通常の生育条件より5〜10℃高い温度にさらすと,合成が飛躍的に増加する蛋白質の一群として発見されたからである.この現象を熱ショック応答と言い,バクテリアからヒトまであらゆる生物が共通に備えている生体防御機構である(後述).実は,高熱だけでなく,重金属やエタノール,あるいはエネルギー代謝阻害剤などの有害物質にさらされた場合も同じようにこれらの蛋白質の合成が高まることがわかり,細胞にとってストレスとなるようなさまざまな誘因により合成量が増えるということから,もっと広い意味でストレス蛋白質と呼ばれるようになった.ところが,さらに研究が進むと,ストレス蛋白質はストレスのない通常の細胞(生物)でもかなり多量に存在しており,しかも生存にとって必要不可欠であることが明らかになってきた.
ストレス蛋白質ははじめ熱ショック蛋白質と呼ばれた.それは,通常の生育条件より5〜10℃高い温度にさらすと,合成が飛躍的に増加する蛋白質の一群として発見されたからである.この現象を熱ショック応答と言い,バクテリアからヒトまであらゆる生物が共通に備えている生体防御機構である(後述).実は,高熱だけでなく,重金属やエタノール,あるいはエネルギー代謝阻害剤などの有害物質にさらされた場合も同じようにこれらの蛋白質の合成が高まることがわかり,細胞にとってストレスとなるようなさまざまな誘因により合成量が増えるということから,もっと広い意味でストレス蛋白質と呼ばれるようになった.ところが,さらに研究が進むと,ストレス蛋白質はストレスのない通常の細胞(生物)でもかなり多量に存在しており,しかも生存にとって必要不可欠であることが明らかになってきた.
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