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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻4号

1998年04月発行

トピックス

嚢虫症の新しい血清診断法

著者: 伊藤亮1

所属機関: 1岐阜大学医学部寄生虫学教室

ページ範囲:P.391 - P.393

文献概要

■有鉤条虫,有鉤嚢虫とは
 有鉤条虫(Taenia solium)とは「有鉤嚢虫(Cysticercus cellulosae)と呼ばれる幼虫を筋肉内に宿しているブタ肉を」十分火を通さずに摂取したヒトの消化管で「きしめん様の数メートルの長さに発育するサナダムシ」である.この成虫を宿しているヒトから排泄される虫卵を経口摂取したヒト,ブタの全身に有鉤嚢虫(以下,嚢虫と略)が発育するのである.ヒトへの有鉤条虫の感染は基本的には「嚢虫が感染しているブタ肉」の摂取による.ヒト(嚢虫→有鉤条虫→虫卵)-ブタ(虫卵→嚢虫)-ヒト(嚢虫→有鉤条虫→虫卵)の間で,この寄生虫の生活環が完成するものであり,ヒトが「嚢虫感染ブタ肉の生食」を避けることによって長期的にはこの寄生虫の生活環を絶つことができるものである.しかし,人体嚢虫症(cysticercosis)の問題点は有鉤条虫を宿しているヒト(保虫者)から排泄された虫卵がブタに感染するのみならず,他のヒトにも感染することである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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