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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻4号

1998年04月発行

文献概要

トピックス

ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)

著者: 山下静也1

所属機関: 1大阪大学医学部分子制御内科学(第2内科)

ページ範囲:P.396 - P.400

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はじめに
 ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(microsomaltriglyceride transfer protein;MTP)1,2)は細胞内でのリポ蛋白のassemblyに関与する蛋白である.図1に示すように,遊離脂肪酸(free fatty acid;FFA)は肝細胞においてacyl-CoA synthetase(ACS)などの酵素によってトリグリセリド(TG)へと変換され,これがMTPによる転送を受けてアポ蛋白Bとassemblyされて超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein;VLDL)が形成され,肝臓から分泌される.一方,MTPは小腸においてはカイロミクロンの合成・分泌にも関与している.著しい低脂血症を呈する遺伝性疾患である無βリボ蛋白血症において,MTPが欠損していることが解明され,最近注目を集めている3,4).本稿ではMTPの性状,遺伝子構造,機能に関する最近の知見を概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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