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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻5号

1998年05月発行

文献概要

技術講座 一般

尿中脂肪球および卵円形脂肪体の鑑別法と臨床的意義

著者: 堀田修1

所属機関: 1仙台社会保険病院腎センター

ページ範囲:P.441 - P.446

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新しい知見
 慢性腎不全,ネフローゼ症候群などの腎疾患患者の尿中に出現する卵円形脂肪体の起源ならびにその発生機序については長い間不明であったが,各種モノクローナル抗体を用いて卵円形脂肪体の形質を解析した結果,卵円形脂肪体あるいは脂肪球は成熟マクロファージの形質的特徴を有し,尿細管上皮細胞の形質的特徴はないことが明らかとなった.臨床的には非選択的蛋白尿を呈する糸球体疾患において種々の程度に脂肪球の尿中排泄増加を認め,尿中脂肪球数は非選択的蛋白尿の程度,ならびに進行性の経過をたどる慢性糸球体腎炎,糖尿病性腎症などの腎疾患において腎症の進行速度と有意な相関を認める.尿中脂肪球はオイル赤などの脂肪染色により容易に定量化が可能であることから,今後,蛋白尿の鑑別診断,腎症の予後の予測,治療効果の判定の目的で尿沈渣の脂肪球数測定が臨床検査の場で実施されることが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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