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抗血小板抗体(同種&自己)
著者: 森田庄治1 柴田洋一2
所属機関: 1埼玉県赤十字血液センター検査二課 2東京大学医学部附属病院輸血部
ページ範囲:P.463 - P.468
文献購入ページに移動抗血小板抗体は大別して抗血小板同種抗体と抗血小板自己抗体の2つに分類される.一般に抗血小板同種抗体という場合は,血小板膜表面に存在する抗源に対する抗体〔ABO, HLA(human leukocyte antigen,ヒト白血球抗原),HPA(human platelet antigen,ヒト血小板抗原)〕を意味し,その大部分は輸血や妊娠によって産生される.一方,抗血小板自己抗体は特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenicpurPura;ITP)に代表される自己免疫性疾患において産生される抗体で,血小板膜の糖蛋白(glycoprotein;GP)に対する抗体(抗GPIb,抗GPIIb,抗GPIIIa,抗GPIIb/IIIa複合体など)が明らかになっている.
本稿では,筆者らがこれまでに経験した症例を中心に取り上げ,抗血小板抗体検査が診断の補助的検査として,病因や病態の解明に重要な検査であることから,その必要性について概説する.
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