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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻5号

1998年05月発行

文献概要

トピックス

TFPI

著者: 久米田幸介1

所属機関: 1(財)化学及血清療法研究所試薬・臨床検査部開発室

ページ範囲:P.490 - P.492

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はじめに
 組織因子(tissue factor;TF)は分子量約46,000の膜結合型糖蛋白質で,血漿中の活性化血液凝固第VII因子(F VII a)と結合して血液疑固第X因子(FX)や血液凝固第IX因子(FIX)を活性化し,トロンビンの生成,フィブリノゲンからフィブリンへの変換が起こり,血栓が形成される反応(外因系血液凝固カスケード反応)の開始因子として働く.一方,生体内で唯一の外因系凝固反応の特異的阻害物質として知られている外因系凝固インヒビターがtissue factor pathway inhibitor(TFPI)である.TFPIはその発見の由来より,lipoprotein associated coagulation inhibitor(EPI)と呼ばれていた.
 TFPIは分子量約43,000の糖蛋白質で,3つのKunitz型阻害領域(K1,K2,K3)を持つプロテアーゼインヒビターで,Kunita 2ドメインで活性型血液凝固第X因子(FXa)と結合することにより,F Xaインヒビターとしての機能を持つとともに,Kunitz 1ドメインによりTF/F VIIa複合体と結合して,TFにより開始される凝固反応を初期の段階で効率よく阻害する.Kunitz 3ドメインにはヘパリン結含部位やリポ蛋白部位が存在するといわれているが,その機能については明確にされていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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