icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻6号

1998年06月発行

文献概要

病気のはなし

多血症

著者: 新倉春男1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院内科血液

ページ範囲:P.514 - P.521

文献購入ページに移動
新しい知見
 多血症(赤血球増加症)はエリスロポエチン(Epo)と密接なかかわりを持っている.近年,EpoおよびEpo受容体の構造が明らかになり,また,Epoの微量測定が日常検査で可能となったことから,一次性と二次性多血症の鑑別が容易となった.家族性多血症において,Epo受容体の異常が赤血球増加の原因であることが証明されたことは最近のトピックスの1つである,また,高酸素親和性の異常ヘモグロビン症による多血症が50種以上発見されており,原因不明の多血症が分子生物学的レベルでさらに解明されるものと期待される.真性多血症は慢性骨髄増殖性疾患の1つで,腫瘍としての性格を持つ病態である.異常クローンを撲滅させる治療が理想的であるが,治療法は潟血以外に確立されておらず,今後の重要な研究課題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?