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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

病理検査こぼれ話

高感度免疫染色と洗浄方法

著者: 蓮井和久1

所属機関: 1鹿児島大学医学部病理学第2

ページ範囲:P.34 - P.34

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 悪性リンパ腫の病理診断などに関係した抗原回復法と高感度免疫組織化学を実施し研究してきた過程で,免疫染色の感度と特異性を維持するには,その方法も重要であるが,反応後の洗浄が極めて重要であることがわかったので,ここでは,その洗浄法について書くことにした.
 通常の免疫染色とcapillary-gap法(Fisher Sci.,Micro Probeなど)の反応後の洗浄の違いは,図1に示すように,スライド間が表面張力で溶液を吸い上げるほど狭い場合には,溶液の対流が極めて狭い範囲でしか起こらずに,洗浄液を廃液し吸い上げることを繰り返し行う必要があることである.したがって,capillary-gap法では,洗浄を十分に行おうとすると,廃液と吸水の回数を増やすことになる.一方,通常の免疫染色では,スライド間の洗浄液の対流で残余溶液を洗い落とすから,この対流をいかに効率よく起こすかが,洗浄をより完全なものにする.筆者らは,パラフィン薄切切片のしわを伸ばすのに用いてきた温水器に水を入れ,35〜40℃にセットして,図2に示すように,洗浄液を500mlビーカーに入れ,温度のモニター用には水を入れ,さらに染色瓶も入れて,洗浄を行った.通常の染色瓶には150mlの溶液が入るので,洗浄液で満たしたビーカー(B)1つで初回洗いと3×5分間の洗浄が行える.その間に,洗浄液(A)は温めるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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