icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル 第II章 組織学的検査 2.検体 2)検体の受付と処理

a)固定法

著者: 山本格士1 鳥居良貴2

所属機関: 1兵庫医科大学病院病理部技術課 2兵庫医科大学病院病理部病理室

ページ範囲:P.89 - P.93

文献購入ページに移動
はじめに
 手術標本はできるだけ新鮮な状態で観察を行い,かつ速やかに固定に移らなくてはならない.採取された瞬間から組織は水解酵素の作用により死後変化(自家融解)が始まり,組織の腐敗が進行する.したがって,生存時になるべく近い状態で細胞や組織の構造をとらえるためにも迅速な作業が求められる.標本の良し悪しは固定によって決まるといっても過言ではなく,たとえ他の過程で最善を尽くしても,固定がまずければ決してよい標本は得られない.目的にかなった固定法を厳守することにより,パラフィン切片でヘマトキシリン・エオジン(HE)染色はもちろん,一般特殊染色,酵素抗体法,戻し電顕を行ったり,脱灰しても組織への影響が少なく,一定したデータを得ることができる.何よりも染色結果がきれいである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?