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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル 第II章 組織学的検査 2.検体 2)検体の受付と処理

f)染色法[3]弾性線維の染色法

著者: 山下和也1 舘林妙子1 篠田宏1

所属機関: 1北里大学東病院病院病理部

ページ範囲:P.114 - P.118

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はじめに
 弾性線維は結合組織と呼ばれる組織の1つである.結合組織は組織の間隙を埋める役をするもので,①線維芽細胞,②線維,③基質の3つから構成され,硬蛋白(アルブミド)と呼ばれる物質から成る.この硬蛋白は,①コラーゲン(膠原線維),②エラスチン(弾性線維),③レチクリン(細網線維),④オッセイン(骨・歯)の4つに分類される.
 エラスチンの詳細は不明であるが,プロリン,グリシンに富む黄色の線維状糖蛋白(70kDa)で,低分子球状蛋白のプロエラスチンとして細胞から分泌され,トロポエラスチンを経てエラスチンとなる.さらにこのエラスチンの表面に酸性の糖蛋白(ミクロフィブリル)である10nm径の原線維(フィブリン)が強固に結合して弾性線維を成している.これらは通常,強い酸性を示すカチオン(陽荷電物質)を有するため,アルコール存在下の酸性色素(特にcationic dye)に選択的に染色される.また,鉄塩の存在やクロム化によって好塩基性を示し,塩基性色素(レゾルシンの有無に無関係)に染色される.エラスチンの明らかな特徴は,煮てもゲラチンを作らない,エラスターゼによって消化される点であり,これらによっても証明される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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