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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル 第II章 組織学的検査 2.検体 2)検体の受付と処理

f)染色法[8]アミロイドの染色法

著者: 高橋保1 植田庄介1 森木利昭1

所属機関: 1高知医科大学附属病院検査部

ページ範囲:P.129 - P.131

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はじめに
 アミロイド(amyloid)は正常人の体内には存在しない異常な線維性蛋白質の一種で,種々の原因によって細胞外に沈着する.組織学的には,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色でエオジンに淡染し,コンゴー赤(Congo red)染色で陽性,さらに偏光顕微鏡下で緑色の複屈折性を呈すればアミロイドとすることが広く支持されている.また,アミロイドは電顕的には幅8〜10nmの枝分かれのない細長い線維の集積で,X線回折上は絹と類似の安定したβ構造を示すなどの特徴を有する.
 アミロイドは形態学的には同一に見えても,成因の違いにより異なったアミロイド蛋白が沈着しており,現在,少なくとも15種類が報告されている.日常検査では,アミロイド蛋白の種類を特定し,病型を明らかにする目的で,過マンガン酸カリウム処理後のコンゴー赤染色が行われる.反応性(または続発性)アミロイド症で認められるAAアミロイドは,この処理でコンゴー赤の染色性が完全に消失し,偏光も示さなくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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