文献詳細
文献概要
病理検査こぼれ話
御墨付き診断を盲信するな
著者: 金井信行1
所属機関: 1自治医科大学病理学講座
ページ範囲:P.158 - P.158
文献購入ページに移動 病理ないし細胞診の診断で,自分だけでは判断がつかなければどうするか.最も簡単な方法はその道の専門家に聞くことです.しかし,少なくとも偉い(実際には偉そうにしている)先生が癌だと言ったから癌だと診断する(これを御墨付き診断と言う)のは愚です.
以前,筆者はその分野で高名な先生に標本を送り,コンサルトをしたことがあります.その症例はわれわれが良性と診断し,その後再発した症例で,その経過とわれわれの診断の根拠を述べたものを同封し,最初の診断のどこが間違っていたのかを教えていただこうとしたのです.返事は手紙でいただき,「癌です」とのことでした.そこで電話を入れさせていただき,癌とする根拠をうかがいましたところ,「私が癌だと言っているのだから癌です」と言われたのには唖然としました.
以前,筆者はその分野で高名な先生に標本を送り,コンサルトをしたことがあります.その症例はわれわれが良性と診断し,その後再発した症例で,その経過とわれわれの診断の根拠を述べたものを同封し,最初の診断のどこが間違っていたのかを教えていただこうとしたのです.返事は手紙でいただき,「癌です」とのことでした.そこで電話を入れさせていただき,癌とする根拠をうかがいましたところ,「私が癌だと言っているのだから癌です」と言われたのには唖然としました.
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