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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

病理検査こぼれ話

御墨付き診断を盲信するな

著者: 金井信行1

所属機関: 1自治医科大学病理学講座

ページ範囲:P.158 - P.158

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 病理ないし細胞診の診断で,自分だけでは判断がつかなければどうするか.最も簡単な方法はその道の専門家に聞くことです.しかし,少なくとも偉い(実際には偉そうにしている)先生が癌だと言ったから癌だと診断する(これを御墨付き診断と言う)のは愚です.
 以前,筆者はその分野で高名な先生に標本を送り,コンサルトをしたことがあります.その症例はわれわれが良性と診断し,その後再発した症例で,その経過とわれわれの診断の根拠を述べたものを同封し,最初の診断のどこが間違っていたのかを教えていただこうとしたのです.返事は手紙でいただき,「癌です」とのことでした.そこで電話を入れさせていただき,癌とする根拠をうかがいましたところ,「私が癌だと言っているのだから癌です」と言われたのには唖然としました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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