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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

病理検査こぼれ話

HE染色標本の大切さ

著者: 桑原宏子1

所属機関: 1香川医科大学第2病理

ページ範囲:P.189 - P.189

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 最近の遺伝子技術の目覚ましい発達の陰で,形態を中心とする病理学は隅に追いやられた感がありますが,いまだに病気の確定診断に生検組織の病理診断が重要な地位を占めていることは言うまでもありません.最近は多くの抗体が市販され,また手軽にDNA合成ができるようになり,免疫組織化学,in situhybridizationおよびpolymerase chain reaction(PCR)などの遺伝子診断が盛んになってきています.これらの技術は今後ますます頻用され,さまざまな情報を私たちに提供してくれるでしょう.しかし,一方で陽性,陰性の判定が困難な場合,感度および手技の問題があり,それらの技術を過信しすぎると,誤診することがあります.さまざまな検索でも診断に迷ったならば,最終的にはヘマトキシリン・エオジン(hematoxylin-eosin;HE)染色(細胞診ならばパパニコロウ染色)に立ち戻るべきと考えています.そういう意味で,検体受付からHE標本作製までに携わる技師の役割は,正しい病理診断のために大変重要と思われます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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