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増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル 第IV章 電子顕微鏡検査
1.電子顕微鏡検査の意義と目的
著者: 鎌田義正1
所属機関: 1弘前大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.276 - P.276
文献購入ページに移動はじめに
電子顕微鏡(電顕)は最近20年間の医学をはじめ生物学分野の各方面に広く活用され役だってきた.ことに病理学の分野においては,免疫組織化学検査や分子病理学検査が普及してきた現在においても,電子顕微鏡検査は形態の根本をとらえるという点で極めて意義が大きい.
細胞内の微細構造とその病的変化が追究できるとともに,厚切り切片を併用しながら光学顕微鏡(光顕)像と対応させて観察することにより,細胞,組織を連続スペクトルで同定可能である.電顕レベルで酵素組織化学法を行えば,酵素活性の有無やその正確な局在がわかり,病理診断に有用な情報をもたらしてくれる.一方,ペルオキシダーゼ抗体法を用いて電顕レベルでの免疫組織化学法を実施すれば,抗体の陽性像や局在がより正確になる.さらに電顕の高倍率観察では,分子(さらに原子)レベルでの像の解析が可能であり,分子生物学の理解の接点として大変有意義である.したがって,病理学の領域では,光学顕微鏡検査と表裏一体の重要な検査方法の1つであると思われる.
電子顕微鏡(電顕)は最近20年間の医学をはじめ生物学分野の各方面に広く活用され役だってきた.ことに病理学の分野においては,免疫組織化学検査や分子病理学検査が普及してきた現在においても,電子顕微鏡検査は形態の根本をとらえるという点で極めて意義が大きい.
細胞内の微細構造とその病的変化が追究できるとともに,厚切り切片を併用しながら光学顕微鏡(光顕)像と対応させて観察することにより,細胞,組織を連続スペクトルで同定可能である.電顕レベルで酵素組織化学法を行えば,酵素活性の有無やその正確な局在がわかり,病理診断に有用な情報をもたらしてくれる.一方,ペルオキシダーゼ抗体法を用いて電顕レベルでの免疫組織化学法を実施すれば,抗体の陽性像や局在がより正確になる.さらに電顕の高倍率観察では,分子(さらに原子)レベルでの像の解析が可能であり,分子生物学の理解の接点として大変有意義である.したがって,病理学の領域では,光学顕微鏡検査と表裏一体の重要な検査方法の1つであると思われる.
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