文献詳細
文献概要
病理検査こぼれ話
病理と私とサッカーと
著者: 長嶋洋治1
所属機関: 1横浜市立大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.282 - P.282
文献購入ページに移動 私が病理学を専攻した理由にははなはだ不純なものがある.サッカーを続けるだけの時間がもてるという理由であった(少なくとも教授には保証された).私は学生時代サッカー部に属しており,ゴールキーパー(以下GK)をつとめていたが,つまらないミスを頻発し,チームに迷惑をかけたことが多かった.もっと納得がいくまでGKをしていたかった.さらに言うならばアーサー・ヘイリーの“最後の診断”で病理診断が医療においていかに重要なものであるかを知らされたことが加わる.
それから12年,一応中堅といわれるようになった.サッカーは今でも学生に混じって週2回やっている.GKは医療における病理医と思っている.サッカーで,敵の攻撃を食い止め,ボールを奪回し,攻撃を始めるのはGKである.疾患を診断し,治療,すなわち攻撃へ転ずる第一歩となるのは病理診断である.旧来の医学部教育ではなかなか学生には伝えられないことかと思うが,医療における病理医の役目はサッカーにおけるGKに相当するものである.
それから12年,一応中堅といわれるようになった.サッカーは今でも学生に混じって週2回やっている.GKは医療における病理医と思っている.サッカーで,敵の攻撃を食い止め,ボールを奪回し,攻撃を始めるのはGKである.疾患を診断し,治療,すなわち攻撃へ転ずる第一歩となるのは病理診断である.旧来の医学部教育ではなかなか学生には伝えられないことかと思うが,医療における病理医の役目はサッカーにおけるGKに相当するものである.
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