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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻7号

1998年06月発行

文献概要

増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル 第VIII章 新しい技術

4.免疫電顕法

著者: 日高恵以子1 石川雅世1

所属機関: 1信州大学医学部附属病院中央検査部

ページ範囲:P.352 - P.354

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はじめに
 免疫電顕法(immuno-electron microscopy)1)とは,細胞内あるいは組織内のある特定の物質の存在部位を,抗原抗体反応を利用して電子顕微鏡レベルで観察を行う技法である.したがって,免疫電顕法では,目的とする物質の確実な局在の検索と,優れた超微形態の保持が要求される.そのためには,抗原は抗原性を保持した状態で細胞,組織内のあるべき場所に正確に固定されなければならず,さらに,抗原抗体反応が組織,細胞のすみずみにおいて十分に行われなければならない.特異性,抗体活性ともに優れた抗体を用いることは欠かせない条件となる.
 免疫電顕法には,凍結切片上で免疫染色を行ってから電顕用に包埋し,超薄切片を作製して電顕観察を行う包埋前染色(pre-embedding)法と,樹脂包埋後,超溝切片上で免疫染色を行う包埋後染色(post-embedding)法がある.前者には酵素抗体法1)が,後者にはイムノゴールド法1,2)が適している.pre-embedding法は,抗原性保持の点では優れているが,抗体の浸透が難しく良好な超微形態を得がたい難点がある.一方,post-embedding法は,超微形態の保存は良好であり,切片上に露出した抗原を検出するため抗体の浸透性を考慮する必要がないが,樹脂包埋中に抗原性が低下するとともに,樹脂面に十分な抗原決定基が露出しているとは限らないなどの難点を有する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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