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文献詳細

雑誌文献

検査と技術26巻8号

1998年07月発行

文献概要

病気のはなし

ヘリコバクター感染症

著者: 井本一郎1 田口由紀子1 足立幸彦1

所属機関: 1三重大学医学部第3内科

ページ範囲:P.624 - P.630

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新しい知見
 従来,胃・十二指腸疾患はストレスや喫煙などにより発生すると考えられていたが,ヘリコバクター・ピロリの発見により,胃炎,消化性潰瘍,胃癌などの疾患が感染症の側面を有することが明らかとなった.本菌の除菌により胃粘膜の炎症は軽減し,潰瘍の再発率は著明に低下する.しかし,除菌後一部の症例に逆流性食道炎や十二指腸びらんが発生することが報告されている.非侵襲的な検査法として,13C尿素呼気試験が感度,特異性ともに高く有用とされている.予防と治療を兼ねたワクチン療法はホットな話題であるが,現時点では動物モデルを用いた実験段階にとどまっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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