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技術講座 生化学
血中トロポニンIの測定法
著者: 高木康1
所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理学教室
ページ範囲:P.735 - P.740
文献購入ページに移動急性心筋梗塞の生化学診断指標としては,従来酵素とそのアイソザイムが利用されていた.しかし,酵素・アイソザイムは多くの組織に存在しているため,診断特異性には限界があった.一方,最近の免疫技術の進歩は著しく,特異性の高いモノクローナル抗体作製や化学発光をはじめとする検出系の開発により,免疫学的手法を用いた心筋構成成分の測定が可能となった.心筋トロポニンI(cTnI)は骨格筋トロポニンIとアミノ酸組成が異なる部位があるため,特異抗体が作製しやすく,この特異抗体を用いた高感度迅速測定系が開発された.血中cTnIの上昇は心筋傷害を特異的に反映し,しかも心筋梗塞早期から発症後10日前後まで異常高値となる.
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