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検査の作業手順を確立しよう 生化学検査・2
専用自動分析装置による検査—ドライケミストリー検査,血中薬物濃度測定,HPLC装置によるグリコヘモグロビンの検査などを中心に
著者: 米田孝司1 片山善章1
所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部
ページ範囲:P.75 - P.80
文献購入ページに移動専用自動分析装置の中でも,ドライケミストリーは試薬調製やウォーミングアップが不要で,24時間対応可能,かつ操作が容易なので,担当者でなくても操作可能な装置として緊急検査に広く利用されている.ドライケミストリーは試薬が乾燥状態で保存されており,基本的には多層分析フィルムや試験紙などがある.測定項目は生化学,薬物,免疫血清,凝固検査と幅広く,緊急検査だけでなく微量検査や日常検査,在宅検査などにも使用されている.主な装置として,セラライザー(エームス),レフロトロン(ロシュダイアグノスティクス),スポットケム(京都第一科学),ビトロス(ジョンソン&ジョンソン),富士ドライケム(富士フイルム),オープス(デイドベーリング),ストラタス(デイドベーリング)などがある.本稿では比較的項目数も多く,大型装置として15年ほど前から世界的に普及しているビトロスを中心に述べる.また,現在の高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography;HPLC)装置はほとんどが単項目専用であり,HPLCの生化学的項目としてはポルフィリン,核酸代謝,胆汁酸,アミノ酸,糖蛋白,腫瘍,ビタミン,副腎ホンモン,薬物などがある.特に,HPLC装置としてはヘモグロビンA1c(HbA1c)測定用が取り扱いが簡便かつ測定時間が2分間と迅速なので,日常検査としてほとんどの施設で使用されている.
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