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テレパソロジー(遠隔病理診断)—実用化と問題点
著者: 澤井高志1 渡辺みか2 宇月美和1
所属機関: 1岩手医科大学病理学第1講座 2東北大学医学部附属病院病理部
ページ範囲:P.85 - P.88
文献購入ページに移動テレパソロジー(遠隔病理診断)とは,遠隔地を結んで伝送された肉眼像,顕微鏡像を見て病理診断を行うことであり,通常は病理機能のない施設と病理医の常駐する施設とを結んで行われている.テレパソロジーは,最近では遠隔放射線診断や在宅診療の監視モニターシステムと並んで,遠隔医療を構成する1つの分野として扱われている(図1).
現在,わが国では約20施設において,試験的要素も含めてテレパソロジーが行われているが1),世界的にみると,アメリカのメイヨークリニックが遠隔地の病院と結んで行っているほか,ヨーロッパではノルウェーが首都のオスロと北極圏にある病院を結び,ドイツやスイスでは山岳地の病院と都会の病院を結んで行われており2),これらは,いずれも地理的条件による制約の環境の中で,マルチメディア機器を利用しつつ発達したものである.
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