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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻10号

1999年09月発行

文献概要

技術講座 血液

白血病診断のための染色体検査

著者: 橋本達也1 河治康則2

所属機関: 1深谷赤十字病院検査部 2市立旭川病院中央検査科

ページ範囲:P.1165 - P.1173

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新しい知見
 白血病の染色体異常はt(9;22)(q34;q11)やt(8;21)(q22;q22),t(15;17)(q22;q12〜21)などに代表されるが,近年,新しい染色体異常も続々と報告がなされ,1つの疾患単位として確立されようとしている.T細胞性の悪性リンパ腫ならびに好酸球増加を背景とした骨髄増殖性疾患に見られるt(8;13)(p11;q12)やt(8;9)(p11;q32)などの8p11異常1),小空胞やペルゲル様の核を有する好中球を特徴とした急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)に見られるder(17)t(5;17)(p11;p11)2)あるいはdic(5;17)(q11;p11)3)などである.
 一方,白血病へのFISH法の導入は,染色体分染法では発見できなかった小児の急性リンパ性白血病(ALL)でのt(12;21)(p13;q22)を明らかにし,また治療面においては,化学療法後ならびに骨髄移植後の微小残存病変の正確な検出を可能とした.今後,染色体検査は,白血病の発病機構の解明に向け,ますます重要な意義を持つものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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