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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻10号

1999年09月発行

文献概要

技術講座 免疫

ヘリコバクターピロリ抗体の測定法

著者: 高橋雅春1

所属機関: 1(株)特殊免疫研究所

ページ範囲:P.1187 - P.1194

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新しい知見
 1983年,WarrenおよびMarshallは慢性活動性胃炎患者の胃粘膜からグラム陰性らせん菌の分離培養に成功した.この菌は現在ではヘリコバクターピロリと呼ばれ,慢性胃炎および胃・十二指腸潰瘍への関与が明らかにされた.そして,抗菌剤などによる除菌治療でこれらの疾患が完治することが示された.また,本菌による慢性胃炎は胃粘膜の萎縮,腸上皮化生を惹起し,その一部は胃癌へと進行する可能性が示された.
 感染者の血中にはヘリコバクターピロリ抗体が出現し,除菌治療により菌が排除されると抗体価は低下する.今後,ヘリコバクターピロリの除菌治療が普及していく中で,本菌の存在診断および除菌治療効果判定の指標としてヘリコバクターピロリ抗体測定の有効性が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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