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文献概要
機器性能の試験法
血球計数装置の性能確認試験法
著者: 浅井正樹1 松本祐之1
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.1321 - P.1328
文献購入ページに移動はじめに
血球計数装置による血球数算定においては,正常血球計数時には問題とならないことが,疾患時などに異常血球が含まれる場合や血中の妨害物質により著しく精度が低下すること,また異なった装置を使用するとき,装置間で生じる乖離が臨床的に問題となることが知られている.現在,血球算定項日(complete blood cell counts;CBC)の標準物質や基準分析法が少ないため正確度(真値)を確認する方法に乏しく,また異常を確認するための視算法は,正確度の誤差に精密度の誤差が加わる.したがって,血球計数装置の性能を確認するには,コントロール血球や患者血液の結果を総合的に評価することが一般的である.
本稿では,最初に血球計数装置の原理と特性について紹介し,次いで日常どのように精度を維持するか,異常を見いだしたときに精度を確認する具体的な手順を述べ,最後に,異常検体の検出や病態の把握など,測定データを読めることが総合的な性能評価につながることを強調したい.
血球計数装置による血球数算定においては,正常血球計数時には問題とならないことが,疾患時などに異常血球が含まれる場合や血中の妨害物質により著しく精度が低下すること,また異なった装置を使用するとき,装置間で生じる乖離が臨床的に問題となることが知られている.現在,血球算定項日(complete blood cell counts;CBC)の標準物質や基準分析法が少ないため正確度(真値)を確認する方法に乏しく,また異常を確認するための視算法は,正確度の誤差に精密度の誤差が加わる.したがって,血球計数装置の性能を確認するには,コントロール血球や患者血液の結果を総合的に評価することが一般的である.
本稿では,最初に血球計数装置の原理と特性について紹介し,次いで日常どのように精度を維持するか,異常を見いだしたときに精度を確認する具体的な手順を述べ,最後に,異常検体の検出や病態の把握など,測定データを読めることが総合的な性能評価につながることを強調したい.
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