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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻11号

1999年10月発行

文献概要

検査の作業手順を確立しよう 遺伝子検査・1

ヒト遺伝子のしくみと臨床検査

著者: 高木淳1

所属機関: 1ダイナボット(株)診断薬・器機事業部営業グループ

ページ範囲:P.1333 - P.1337

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はじめに
 われわれの命は母方の卵と父方の精子が合体した1個の受精卵に始まる.卵と精子は各々約10万種類の遺伝情報を持ち合うので,受精卵1個には約10万種類×2(20万種類)の情報が存在する.この情報の単位を遺伝子(gene)と呼び,インスリン遺伝子,甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone;TSH)受容体遺伝子などと呼ばれる.受精卵は分裂(原則としてまったく同じ遺伝子のコピーを作る)を繰り返し,最終的には約60兆個の細胞からなるわれわれの身体を作り上げる.細胞内の各染色体にあるすべての遺伝子およびDNAの1セットをゲノム(genome)といい,性の決定に関与しない22対44本の常染色体と1対2本の性染色体の合計46本の染色体からなる(図1).細胞の核には両親から受け継いだ1個ずつの遺伝子が存在し,この対をなす遺伝子を対立遺伝子(allele)という.遺伝情報は細胞の核の染色体(chromosome)にたたみ込まれているDNA(deoxyribonucleic acid,デオキシリボ核酸)に蓄えられており,それぞれの遺伝子は決まった染色体の決まった場所に保存され,遺伝子には大きさの順に付けられている染色体の番号,短腕(p)と長腕(q)の区別,および領域番号が記されている.例えば,TSH受容体は14番染色体の長腕の31に存在するので14q31と記される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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