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けんさアラカルト
ホルター心電図の意義と応用
著者: 岸田浩1
所属機関: 1日本医科大学第1内科
ページ範囲:P.1418 - P.1419
文献購入ページに移動 ホルター心電図法とは,携帯型心電計を用いて日常生活時の行動中に長時間連続記録ができ,アナラィザーで高速解析する検査法である.ホルター心電図は,不整脈・虚血性心疾患・心不全などの疾患の診断,病態生理,重症度評価,治療方針ならびにその効果判定,予後などに有用性が認められている.
ホルター心電図の判読で問題になるのは,ST偏位(下降)の判読であり,無症状の状態で認められる運動時のST下降を虚血性所見と判定するかどうかである.この場合には,ホルター心電図装着の適応が何であるのかを知ることが大切であり,患者の基礎疾患や既往歴の情報が必要である.すでに左室肥大や左脚ブロックなどによるST下降を示す例では,体動によるST偏位を認め,また運動によるST下降の増強が無症状のまま発現することがしばしばある.したがって,ホルター心電図所見の判読には,この装置を十分理解している者が行うことが重要である.このような心電図所見の臨床的意義を調べるには,心エコー図検査,冠動脈造影検査や核医学検査などが必要であり,ST偏位を認める例では,あらかじめ臥位,側臥位,立位,あるいは過呼吸時の心電図を記録しておくとその判読に参考になる.
ホルター心電図の判読で問題になるのは,ST偏位(下降)の判読であり,無症状の状態で認められる運動時のST下降を虚血性所見と判定するかどうかである.この場合には,ホルター心電図装着の適応が何であるのかを知ることが大切であり,患者の基礎疾患や既往歴の情報が必要である.すでに左室肥大や左脚ブロックなどによるST下降を示す例では,体動によるST偏位を認め,また運動によるST下降の増強が無症状のまま発現することがしばしばある.したがって,ホルター心電図所見の判読には,この装置を十分理解している者が行うことが重要である.このような心電図所見の臨床的意義を調べるには,心エコー図検査,冠動脈造影検査や核医学検査などが必要であり,ST偏位を認める例では,あらかじめ臥位,側臥位,立位,あるいは過呼吸時の心電図を記録しておくとその判読に参考になる.
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