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β3アドレナリン受容体変異と肥満
著者: 家入蒼生夫1
所属機関: 1獨協医科大学臨床検査医学教室
ページ範囲:P.1447 - P.1450
文献購入ページに移動はじめに
肥満とは遺伝素因と環境因子の複雑な相互作用の結果として,エネルギー摂取が消費を上回り,体内に余分な脂肪が蓄積される状態である.また,病的な状態を意味する肥満症とは,標準体重の20%を超える過体重者のうち,医学的見地から減量療法が必要な場合と定義される.肥満度は,BMI 〔body mass index;体重(kg)/(身長(m)2〕と呼ばれる指数を用いるのが一般的である.肥満が糖尿病,高脂血症,高血圧,動脈硬化症など生活習慣病をきたすことから,近年,わが国を含めた先進国で医学的にも社会的にも問題となっている.しかし,臨床的にはBMIが正常範囲の非肥満者であっても,内臓肥満と呼ばれる状態をきたすと,肥満症と同様の問題を生じることが指摘されている1).
最近,肥満に関して,あるいは脂肪細胞(組織)の機能に関して,分子レベルで新しい事実が次々と明らかにされ(肥満の分子生物学,adiposcience)2,3),その病態生理学的解明が進んでいる.
肥満とは遺伝素因と環境因子の複雑な相互作用の結果として,エネルギー摂取が消費を上回り,体内に余分な脂肪が蓄積される状態である.また,病的な状態を意味する肥満症とは,標準体重の20%を超える過体重者のうち,医学的見地から減量療法が必要な場合と定義される.肥満度は,BMI 〔body mass index;体重(kg)/(身長(m)2〕と呼ばれる指数を用いるのが一般的である.肥満が糖尿病,高脂血症,高血圧,動脈硬化症など生活習慣病をきたすことから,近年,わが国を含めた先進国で医学的にも社会的にも問題となっている.しかし,臨床的にはBMIが正常範囲の非肥満者であっても,内臓肥満と呼ばれる状態をきたすと,肥満症と同様の問題を生じることが指摘されている1).
最近,肥満に関して,あるいは脂肪細胞(組織)の機能に関して,分子レベルで新しい事実が次々と明らかにされ(肥満の分子生物学,adiposcience)2,3),その病態生理学的解明が進んでいる.
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