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技術講座 微生物
グリコペプタイド耐性菌と検査法
著者: 小森敏明1 藤田直久2 池康嘉3
所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査部 2京都府立医科大学臨床検査医学教室 3群馬大学医学部微生物学教室
ページ範囲:P.1471 - P.1479
文献購入ページに移動耐性菌が全世界的に問題になっている.その中でもグリコペプタイド耐性菌が注目されている.グリコペプタイド系抗生物質の1つであるバンコマイシン(VCM)は,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の特効薬として注目され,最後の切り札と呼ばれてきたが,近年,耐性を持った細菌が出現してきた.その細菌とは腸球菌とブドウ球菌である.VCMに耐性を持った腸球菌は欧米では院内感染原因菌として急増している.また,MRSAにもVCM治療に対して耐性を持った株が見つかっている.わが国においてもグリコペプタイド耐性菌が散見されるようになり,耐性菌の発見が遅れると院内感染が拡大する恐れがある.迅速かつ正確な同定と報告が必要になってきている.
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