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技術講座 免疫
β2-ミクログロブリンの測定
著者: 渡辺信子1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.135 - P.141
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β2-ミクログロブリン(β2-m)についての知見ではないが,最近注目されているα1-ミクログロブリン(α1-m)について紹介する.α1-mは分子量33,000,糖質21.7%を含む糖蛋白で,主に肝臓で合成される.β2-mと同様,低分子蛋白で,腎糸球体基底膜で濾過され,近位尿細管でほとんどが再吸収され,異化されるので尿細管障害の指標として用いられる.β2-mと異なる点は,血中に増加する疾患が少ないこと,尿中での安定性が高く,pHの影響を受けないことである.よって,尿細管障害の指標として用いる場合は除外因子が少なくなることや,尿pHを考慮する必要がなく,データの信頼性が高まるなどの利点になっている.測定法もβ2-m同様,RIA法,EIA法,LIA法が確立されており,いずれβ2-mに代わる検査になっていくのかどうか注目したい.
β2-ミクログロブリン(β2-m)についての知見ではないが,最近注目されているα1-ミクログロブリン(α1-m)について紹介する.α1-mは分子量33,000,糖質21.7%を含む糖蛋白で,主に肝臓で合成される.β2-mと同様,低分子蛋白で,腎糸球体基底膜で濾過され,近位尿細管でほとんどが再吸収され,異化されるので尿細管障害の指標として用いられる.β2-mと異なる点は,血中に増加する疾患が少ないこと,尿中での安定性が高く,pHの影響を受けないことである.よって,尿細管障害の指標として用いる場合は除外因子が少なくなることや,尿pHを考慮する必要がなく,データの信頼性が高まるなどの利点になっている.測定法もβ2-m同様,RIA法,EIA法,LIA法が確立されており,いずれβ2-mに代わる検査になっていくのかどうか注目したい.
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