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劇症肝炎における肝機能検査成績の解釈
著者: 上杉成人12 永井孝三1 賀古眞1
所属機関: 1帝京大学医学部第4内科 2溝口病院
ページ範囲:P.237 - P.243
文献購入ページに移動劇症肝炎は20年前には救命率20%以下と致死率の高い疾患であった.しかし,治療法の改善により10年前には30%近い救命率となり,最近では血漿交換に加え,人工肝(膜濾過透析法),インターフェロン(interferon;IFN)-シクロスポリン(ciclosporin;CS)療法などの導入により約40%とさらに向上している.
そうはいっても,劇症肝炎の中でも急性型といわれる脳症発現までの期間の短い症例では,救命率の改善が著しいものの,発症から脳症発現まで10日以上経過する亜急性型の症例ではいまだに救命率が15%と低く,治療に難渋している.劇症肝炎の発生率は輸血の際のHBs抗原スクリーニング導入以来年々減少しており,肝炎ウイルス感染予防知識の浸透とともに減少した感がある.
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