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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻3号

1999年03月発行

文献概要

トピックス

IgM型梅毒トレポネーマ抗体検査法とこれからの抗体検査

著者: 出口松夫1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.264 - P.266

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はじめに
 従来より,抗体検査による感染症の診断は採血時期の異なる2種類の血清(ペア血清)を用いて行われている.しかし,この方法では診断までに数週間を必要とすることから,単一血清による迅速診断法の開発が望まれていた.
 梅毒の血清学的診断法もペア血清を用いて行われてきたが,1968年にScottiらは臍帯血中のIgM型Treponema pallidum(TP)抗体,その翌年にJulianらは成人血中のIgM型TP抗体を梅毒トレポネーマ蛍光抗体吸収〔fluorescent treponemal antibody absorption(FTA-ABS)〕法で測定し,その有用性を報告した.その後も次々とIgM型TP抗体測定法が新たに開発され,梅毒の迅速診断法としての研究がなされてきた.1980年代にはわが国においても詳細な検討が行われ,梅毒病期の推測や治癒判定に有用であるとの報告がなされている.しかし,十分な治療を行ったにもかかわらず,IgM型TP抗体の消失を見ない症例や未治療の早期梅毒においてIgM型TP抗体が検出されない症例なども報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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