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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻4号

1999年04月発行

文献概要

病気のはなし

ウイルス性髄膜炎

著者: 岩田敏1

所属機関: 1国立霞ヶ浦病院小児科

ページ範囲:P.324 - P.328

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新しい知見
 ウイルス性髄膜炎の主要な原因ウイルスであるエンテロウイルスのうち,エンテロウイルス71型は手足口病の原因ウイルスとしても知られている.手足口病はコクサッキーウイルスA16型,A10型,エンテロウイルス71型を原因ウイルスとし,乳幼児,小児に流行する急性発疹性疾患で,その名のとおり,手と足と口腔内に皮疹,粘膜疹が出現する疾患である.一般に軽症であるが,1997年にマレーシアでの流行の際に多数の死亡例が報告され,その後台湾,大阪でも同様の症例が報告されたため問題となっている.いずれもエンテロウイルス71型が関与している可能性が高く,肺水腫を伴う急性呼吸不全から心肺停止に陥っている.髄液細胞数増多を伴っている症例が多く,脳幹脳炎などの重篤な中枢神経系合併症も認められた.手足口病の流行に際しては今後も十分な注意が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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