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技術講座 生化学
無機リンの酵素的分析法
著者: 北尾政光1 深田靖彦2
所属機関: 1松江赤十字病院検査部・自動化学分析係 2松江赤十字病院検査部
ページ範囲:P.331 - P.336
文献購入ページに移動従来,無機リン測定にはリンモリブデン酸還元法が用いられていた.多量の有機リンが共存する血球中または組織中の無機リンの定量には,還元剤として色素の一種であるマラカイトグリーンを用いる方法があるが,器具などに色素が付着する難点があった.また,還元物質などの共存物質が多量に共存する尿中の定量にも問題があり,尿の希釈が必要であった.酵素的測定法では,無機リンに特異的に反応するため,有機リン共存下でも,正確に無機リンを定量することが可能となった.また,直線性が伸び,原尿でも還元物質などの共存物質の影響を受けずに測定が可能となり,腎疾患,副甲状腺機能,骨疾患などの診断・治療の精度を高めるうえでより有用となってきている.
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