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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻4号

1999年04月発行

文献概要

トピックス

カンピロバクターとギラン・バレー症候群

著者: 古賀道明1 結城伸𣳾1

所属機関: 1獨協医科大学神経内科

ページ範囲:P.400 - P.403

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はじめに
 ギラン・バレー症候群(Guillain Barré syndrome)は,急性に発症する四肢筋力低下や深部反射消失を主徴とする末梢神経疾患である.四肢筋力低下を急性発症する神経・筋疾患の中で最も頻度が高く,人口10万人あたり年間1〜2人の発症を数える.神経症状発現の1〜3週間前に,感冒様症状や下痢などの先行感染症状を多くの症例で認め(図1),感染因子として各種ウイルスや細菌が知られている.未治療でも1か月以内に神経症状はピークとなり,その後はしだいに軽快することから,従来は予後良好の疾患と考えられていた.しかし,1〜2割の患者は遷延化する筋力低下により寝たきりになるなど,必ずしも予後良好な疾患ではなく,積極的に治療を行うべきと考えられている.治療法として,患者の血漿成分を捨て,アルブミン製剤で補充する単純血漿交換療法が第一選択であり,発症後,より速やかに治療を開始することが,後遺症の軽減および罹病期間の短縮に有効である.
 本稿では,ギラン・バレー症候群の中でも,特に機能的予後が不良とされているCampylobacter jejuni腸炎後ギラン・バレー症候群に関して,臨床的特徴と血清学的な診断法について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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