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高血圧の予防,発見,診断および治療に関する米国合同委員会の第6次勧告(JNC6)
著者: 平田恭信1
所属機関: 1東京大学医学部循環器内科
ページ範囲:P.403 - P.405
文献購入ページに移動高血圧の治療に関するガイドラインにはいろいろあるが,米国合同委員会(Joint National Committee;JNC)のガイドラインは世界保健機関(WHO)/国際高血圧学会(ISH)のそれと並んで,内容が豊富で十分な根拠に基づいていて説得力があるので,大きな影響力を持っている.これまで約4年ごとに新しい勧告が出されてきて,今回(1997年11月)が6回目である.
1988年に出された第4次勧告,いわゆるJNC4では有名な個別段階的降圧療法が提唱された(図1).これは,まず減量,減塩,節酒,運動などの非薬物療法を試みて,十分に降圧しない場合には利尿薬,β遮断薬,アンギオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme;ACE)阻害薬,カルシウム(Ca)拮抗薬のうち,1剤を投与する.それでも降圧が不十分な場合は現在の薬を増量するか,第2薬を加える.それでもなお不十分な場合は第3薬をという具合いに,第4薬まで投与する方法である.このいずれかの段階で血圧が長期間コントロールできたら,今度はこの階段を降りていく,つまり薬を減らすことを考えるという方法である.現在もこの方法で降圧薬を投与している医師が最も多いのではないかと思われる.
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