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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻5号

1999年05月発行

文献概要

技術講座 一般

尿中Tamm-Horsfall糖蛋白の定量

著者: 杉本佳代1 芝紀代子2

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科分析検査学 2東京医科歯科大学医学部保健衛生学科

ページ範囲:P.435 - P.441

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新しい知見
 タム-ホルスフォール糖蛋白(Tamm-Horsfall glycoprotein;THP)は健常人尿中蛋白の主たる構成成分であり,尿円柱の基質となる.尿細管障害が起こると尿中THP量は増加する.近年,THPは尿結石との関連についてネフロカルチン(nephrocalcin),ウロポンチン(uropontin)などの尿中蛋白とともに注目されている.THPを含むこれらの蛋白は結石形成の抑制,具体的には結石の核形成,結晶成長,凝集を抑制する.しかし,おもしろいことにTHPはイオン強度が高く,pHが低いと逆に結石形成を促進する.健常人尿中においてシュウ酸やカルシウムが過飽和であるのにもかかわらず,結石形成が起こらないのはこれら蛋白の存在のためであるが,それが何かの機序で結石ができてしまう.尿結石患者が増加している今日,この機序解明が急がれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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