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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻5号

1999年05月発行

文献概要

技術講座 免疫

腫瘍マーカーの分子微細多様性

著者: 桑原正喜1 有吉寛2

所属機関: 1愛知県総合保健センター臨床検査部 2県立愛知病院内科

ページ範囲:P.443 - P.452

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新しい知見
 腫瘍マーカーには,その分子構造あるいは存在様式などによる分子多様性が認められ,多くの場合,それは腫瘍マーカーの臨床的有用性を鈍らせることとなっている.この解決のために新たな抗体の開発など努力がなされている.その一例が血中存在様式の違いによる多様性を示すPSAで見られる.すなわち,PSAのfree型の分別測定を可能としたことにより,PSA低値例の前立腺癌と前立腺肥大症の鑑別あるいはPSAの偽陽性率を低下させることが可能となり,より有用性が高まるものと期待される.
 また,分子多様性に新たな臨床的有用性が認められた唯一の例がAFPである.そして,このことを臨床利用可能としたのはレクチンとの親和性を利用した電気泳動法であり,さらには最近開発されたLBA法(本文中参照)である.LBA法は専用装置を用い,全自動でLCA反応性AFPの測定が可能であり,AFP分子多様性の臨床利用がさらに進むことが期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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