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技術講座 免疫
腫瘍マーカーの分子微細多様性
著者: 桑原正喜1 有吉寛2
所属機関: 1愛知県総合保健センター臨床検査部 2県立愛知病院内科
ページ範囲:P.443 - P.452
文献購入ページに移動腫瘍マーカーには,その分子構造あるいは存在様式などによる分子多様性が認められ,多くの場合,それは腫瘍マーカーの臨床的有用性を鈍らせることとなっている.この解決のために新たな抗体の開発など努力がなされている.その一例が血中存在様式の違いによる多様性を示すPSAで見られる.すなわち,PSAのfree型の分別測定を可能としたことにより,PSA低値例の前立腺癌と前立腺肥大症の鑑別あるいはPSAの偽陽性率を低下させることが可能となり,より有用性が高まるものと期待される.
また,分子多様性に新たな臨床的有用性が認められた唯一の例がAFPである.そして,このことを臨床利用可能としたのはレクチンとの親和性を利用した電気泳動法であり,さらには最近開発されたLBA法(本文中参照)である.LBA法は専用装置を用い,全自動でLCA反応性AFPの測定が可能であり,AFP分子多様性の臨床利用がさらに進むことが期待されている.
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