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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻5号

1999年05月発行

文献概要

トピックス

in situ RT-PCR法

著者: 渡辺純1 亀谷徹1

所属機関: 1北里大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.482 - P.485

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はじめに
 細胞や組織におけるメッセンジャーRNA(mRNA)の発現を見る方法としてノーザンブロット(Northernblot)法がある.この方法で検出できないような微量なmRNAに対しては逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reversed transcription-polymerase chain reaction;RT-PCR)法が用いられる.これは,まず逆転写酵素によりmRNAから相補的DNA(cDNA)を合成し,これを鋳型として耐熱性DNAポリメラーゼを用いたPCRを行い,標的分子を増幅することにより検出する方法である.これらの方法は感染症,腫瘍,遺伝性疾患などの検査に導入され,検査室レベルですでに実用化されつつある.
 しかし,これらの方法では組織をすりつぶして核酸の抽出が行われるため,いろいろな成分が混じりあっている細胞や組織検体では,実際にどの細胞が目的のmRNAを発現しているのかを知ることはできない.そこで,細胞・組織の形態を保存したまま,切片上でmRNAの発現の局在を検出するin situハイブリダイゼーション(in situ hybridization;ISH)法が考案された.これは,切片上で核酸プローブを標的分子とハイブリダイゼーションさせることにより,目的のmRNAを検出する方法である1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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