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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻5号

1999年05月発行

文献概要

検査の作業手順を確立しよう

血液ガス検査

著者: 下村弘治1

所属機関: 1三井記念病院中央検査部

ページ範囲:P.495 - P.500

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はじめに
 血液ガス検査は,救急医療の中で欠くことのできない検査であり,全科にわたるあらゆる疾患で実施され,救急外来ではもちろん,検査室,手術室,ICU,CCU,人工透析室,新生児室などで利用されている.主に呼吸・循環状態の把握および酸・塩基平衡異常の判定に必須の検査である.数多くの検体検査の中で最も迅速性,正確性が要求される検査の1つである.血液ガス分析では,動脈血のpH,炭酸ガス分圧,酸素分圧を測定し,合わせてこれらのデータから計算できる生理的情報〔重炭酸イオン,ベースエクセス(BE)など〕を算出して利用している.血液pHの基準範囲を見てもわかるとおり,生体では非常に狭い範囲にコントロールされており,正確性が要求される理由がここにもある.また,しばしば致死的である患者もおり,その検査結果によって随時に患者の管理が行われていることを検査担当者は忘れてはならない.
 現在,血液ガス分析機は全自動化されており,キャリブレーションは標準ガスボンベによる方式が一般的であるが,近年ガスボンベ不要(ボンベレス)の機種も出現している.また,カートリッジ式で分析が行われるもの,さらに小型化したポータブルタイプまである.いずれの機種も血液を機械に注入するだけで結果は1〜2分間で得られる.血液ガス分析において正確性を左右する因子は検査前(採血から測定までの過程)に多くあるといってよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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