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サイクロスポーラ症
著者: 井関基弘1 木俣勲1
所属機関: 1大阪市立大学医学部医動物学研究室
ページ範囲:P.563 - P.565
文献購入ページに移動サイクロスポーラ症は新興感染症(emerging infectious diseases)の1つとして注目されている.病原体は腸管寄生性の原虫で,主症状は下痢である.途上国を中心に世界に広く分布している1).1997年の夏,青年海外協力隊員でネパールの小児病院の検査室で臨床検査技師として仕事をしている小田容子さんから手紙がきた.「ネパールでは子供の下痢症が多く,クリプトスポリジウム感染はしばしば見られる.最近,ドクターからサイクロスポーラのことについてよく聞かれるので,この病気のことや検査法に関する文献を送ってほしい」とのこと.早速,手持ちの文献をいくつか送ってあげた.彼女は大変熱心で,1998年7月の帰国までに多数の下痢便についてサイクロスポーラとクリプトスポリジウムの検査を実施し,その結果を1998年8月に幕張メッセで開催された第9回国際寄生虫学会に発表している.そのデータは後で紹介しよう.私はお土産にサイクロスポーラの生の標本を頂戴した.
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