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文献概要
増刊号 緊急検査実践マニュアル 各論 2.血液検査
3)血液凝固検査 f)D-ダイマー 臨床編
著者: 川合陽子1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
ページ範囲:P.814 - P.816
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D-ダイマーは汎血管内凝固症(disseminatedintravascular coagulation;DIC)や血栓症の診断やモニタリングに有用・不可欠な検査である.D-ダイマーは,架橋化フィブリンにプラスミンが作用する二次線溶亢進時のみに生成されるので,二次線溶をとらえる分子マーカーの代表的検査である.すなわち,D-ダイマーの高値は生体内にフィブリン血栓が存在した証明となる.DICにおける病態診断において,凝固亢進により血栓形成が主体となり,多臓器不全(multiple organfailure;MOF)を引き起こすタイプと,線溶亢進が主体で出血傾向の強いタイプを鑑別することは,臨床上重要である.D-ダイマーの測定はこのようなDICにおける血栓傾向と出血傾向の鑑別をするうえで有用な検査である.また,血栓症で高値となり,血栓溶解療法時の線溶療法を施行するうえで,血栓から溶解したD-ダイマーを測定することは,血栓溶解療法の効果を判定するうえのモニタリング検査として,臨床上,測定意義は大きい.
D-ダイマーは汎血管内凝固症(disseminatedintravascular coagulation;DIC)や血栓症の診断やモニタリングに有用・不可欠な検査である.D-ダイマーは,架橋化フィブリンにプラスミンが作用する二次線溶亢進時のみに生成されるので,二次線溶をとらえる分子マーカーの代表的検査である.すなわち,D-ダイマーの高値は生体内にフィブリン血栓が存在した証明となる.DICにおける病態診断において,凝固亢進により血栓形成が主体となり,多臓器不全(multiple organfailure;MOF)を引き起こすタイプと,線溶亢進が主体で出血傾向の強いタイプを鑑別することは,臨床上重要である.D-ダイマーの測定はこのようなDICにおける血栓傾向と出血傾向の鑑別をするうえで有用な検査である.また,血栓症で高値となり,血栓溶解療法時の線溶療法を施行するうえで,血栓から溶解したD-ダイマーを測定することは,血栓溶解療法の効果を判定するうえのモニタリング検査として,臨床上,測定意義は大きい.
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