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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻7号

1999年06月発行

文献概要

ほっとコーナー

緊急輸血へ貢献するために

著者: 今野隆子1

所属機関: 1(財)広南会広南病院検査部

ページ範囲:P.934 - P.934

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 当院は189床の小規模ながら,7名の臨床検査技師が24時間体制でポケットベルにより対応している救急病院である.脳外科を中心としているので,緊急としての輸血検査が多くを占める.特に予期せぬ術中の大出血となると,備蓄を置かない方針の検査部にとっては,あまりにもめまぐるしく,かつ緊張した時間を迎えることになる.どんなに最先端の外科的な技術を駆使しても,生身の人間の体であることに変わりはないと認める時だ.
 まず,検査部の輸血担当者(時間外は当番)が血液センターに連絡をとり,とりあえず手術室からのオーダー分を取り寄せる.院内に在庫が少しでもあれば交差適合試験に入るが,各型の在庫は十分ではなく,たいていは緊急出動を願うことになる.製剤が届くのに速くても25分はかかるので,手術室からの催促に強靱に耐えなければならないのが一番の試練だ(ときに泣きたくなることもある).つい先日も手術中の脳外科医から「このままだと患者が危ない」といわれたときはさすがに足が震えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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