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技術講座 病理
免疫組織化学染色における抗体の浸達深度
著者: 広井禎之1 鳥潟親雄1
所属機関: 1防衛医科大学校病理学第1講座
ページ範囲:P.999 - P.1006
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細胞診標本の細胞集塊における免疫組織化学染色の判定には,抗体の浸達深度を考慮する必要がある.また,免疫電顕の標本作製に際しても抗体の浸達深度は重要な問題である.細胞診標本にp53蛋白免疫組織化学染色を施し,細胞集塊に対する抗体の浸達深度を共焦点走査レーザー顕微鏡により検索した.その結果,LSAB法で一次抗体,室温,60分間,ビオチン化二次抗体およびペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン,室温,30分間の染色条件のものでは,抗体の浸達深度は平均10.06μmであった.一次抗体,4℃,1晩,ビオチン化二次抗体およびペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン,室温,3時間のものではいずれも最深部まで抗体が浸透していた.今まで漠然としていた免疫組織化学染色における抗体の浸達深度が,現代のハイテク技術により画像と数値で明確に表されるようになった.これにより,正確な評価が可能になると思われる.また,共焦点レーザー走査顕微鏡による抗体の浸達深度計測は,細胞診における免疫組織化学染色技術や免疫電顕技術の発展に寄与するものと思われる.
細胞診標本の細胞集塊における免疫組織化学染色の判定には,抗体の浸達深度を考慮する必要がある.また,免疫電顕の標本作製に際しても抗体の浸達深度は重要な問題である.細胞診標本にp53蛋白免疫組織化学染色を施し,細胞集塊に対する抗体の浸達深度を共焦点走査レーザー顕微鏡により検索した.その結果,LSAB法で一次抗体,室温,60分間,ビオチン化二次抗体およびペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン,室温,30分間の染色条件のものでは,抗体の浸達深度は平均10.06μmであった.一次抗体,4℃,1晩,ビオチン化二次抗体およびペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン,室温,3時間のものではいずれも最深部まで抗体が浸透していた.今まで漠然としていた免疫組織化学染色における抗体の浸達深度が,現代のハイテク技術により画像と数値で明確に表されるようになった.これにより,正確な評価が可能になると思われる.また,共焦点レーザー走査顕微鏡による抗体の浸達深度計測は,細胞診における免疫組織化学染色技術や免疫電顕技術の発展に寄与するものと思われる.
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