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文献詳細

雑誌文献

検査と技術27巻9号

1999年08月発行

文献概要

技術講座 一般

疥癬の検査

著者: 篠永哲1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1088

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新しい知見
 疥癬の治療薬には,硫黄剤,安息香酸ベンジル,クロタミトン,γ-BHCなどがあるが,一般に使用されているのはクロタミトン10%軟膏(商品名:オイラックス)である.使用法は,頸部より下の全身に塗布し,24時間後に入浴して洗い落とし再塗布する.これを5日間繰り返せばよいとされているが,実際には10〜14日間の塗布が必要である.γ-BHCは有機塩素系の殺虫剤であるが,国内では,製造・販売が禁止されている.しかし,ノルウェー疥癬のような重症の疥癬に著効を示すので,欧米では盛んに使用されている.1%含有白色ワセリン軟膏を頸部より下の全身に塗布し,6時間後に洗い落とす.1週間後に同じ処置を行う.製造は病院の薬剤部で行い,医師の責任で使用しなければならない.殺ダニ効果は高いが,幼児,高齢者,精神疾患のあるヒトへの使用はできるだけ避け,過剰塗布をしてはならない,
 最近,疥癬治療の経口薬として,フィラリアの予防,治療薬であるイベルメクチンが注目されている.内服薬なので手間がかからない,治療効果の発現が早い,患者にとっても快適であるなどの利点があり,米国などで効果を上げていると報告されている3)が,国内では入手困難である.この他,疥癬治療のための投与基準が確立されていない,副作用やヒトに対する毒性も不明であるなど,問題も残っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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