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アメリカ糖尿病学会の新しい診断基準
著者: 荻原典和1
所属機関: 1日本大学医学部第3内科
ページ範囲:P.1129 - P.1132
文献購入ページに移動糖尿病という疾患は,エジプト時代から確立されていたと思われるほど歴史は深い.大量の尿を排泄し,口渇,やせ,全身の倦怠感,ついには死に至る不治の病いとして知られていた.インスリンが発見され,死の恐怖から解放されてからいまだ100年もたたない.インスリンが発見され,死ぬことから免れても高血糖状態が持続することで合併症が発生し,慢性疾患として現在も苦闘は続いている.
しかし,糖尿病という病気は,最近“生活習慣病”と呼ばれ,生活習慣によってはすべての人が糖尿病という病態になりうるとの誤解がある.しかし,PimaIndian(30〜64歳の51%)などの多発種族でも糖尿病の罹患率には限界があり,すべての人が糖尿病になってしまうわけではない.やはり,糖尿病と非糖尿病の両者の素質の間には明らかな差異がある.暴飲暴食の生活をしていても,すべての人が糖尿病になってしまうわけではないのである.
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