文献詳細
文献概要
Laboratory Practice 臨床編 臨床検査はどう利用されているか
血中HCV量の測定とその臨床的意義
著者: 大久保昭行1
所属機関: 1大蔵省印刷局東京病院
ページ範囲:P.76 - P.77
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患者は64歳の男性で,輸血歴および肝炎歴はない.
1年前に健康診断でHCV抗体が陽性であることが判明した.そのとき,血清AST 90IU/l,ALT 100IU/l,γ-GT 50IU/l,総ビリルビン1.0mg/dlで肝障害があるといわれた.自覚症状はなかった.その後,病院で検査を受けたところ,HCV-RNA 1.1Meq/ml,HCV血清型1群,腹部の超音波エコー検査およびCT検査では慢性肝炎の所見が得られた.強力ネオミノファーンシーの静脈注射とウルソデオキシコール酸の併用療法で1年間様子を見たが,血清中のASTおよびALTは100IU/lを前後を変動し,ときに300IU/l前後になることもあった.A/G比0.9〜1.0に低下し,AST/ALT比は1.0と上昇した.末梢血中の血小板数は10万/μlに低下した.超音波エコー検査で軽度の脾腫が認められるようになった.
患者は64歳の男性で,輸血歴および肝炎歴はない.
1年前に健康診断でHCV抗体が陽性であることが判明した.そのとき,血清AST 90IU/l,ALT 100IU/l,γ-GT 50IU/l,総ビリルビン1.0mg/dlで肝障害があるといわれた.自覚症状はなかった.その後,病院で検査を受けたところ,HCV-RNA 1.1Meq/ml,HCV血清型1群,腹部の超音波エコー検査およびCT検査では慢性肝炎の所見が得られた.強力ネオミノファーンシーの静脈注射とウルソデオキシコール酸の併用療法で1年間様子を見たが,血清中のASTおよびALTは100IU/lを前後を変動し,ときに300IU/l前後になることもあった.A/G比0.9〜1.0に低下し,AST/ALT比は1.0と上昇した.末梢血中の血小板数は10万/μlに低下した.超音波エコー検査で軽度の脾腫が認められるようになった.
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