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膜結合性組織因子
著者: 中村伸1
所属機関: 1京都大学霊長類研究所分子生理
ページ範囲:P.91 - P.93
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組織因子(tissue factor;TF)は組織・細胞由来の凝固因子で,VIIaの補助因子として細胞表面あるいはリン脂質層上でTF-VIIa complexを形成して,引き続くX因子活性化など凝固カスケード反応を始動する.最近,このTF-VIIa相互作用に関する研究が進み,凝固系の開始反応の分子機作が明らかにされた.
本稿では生理学的な視点から,TFの新たな生体内での役割についてTFの受容体・シグナル伝達機能,TFの胚発達や血管新生での役割,およびVII/VIIaに依存しないTFの細胞機能について概説する.
組織因子(tissue factor;TF)は組織・細胞由来の凝固因子で,VIIaの補助因子として細胞表面あるいはリン脂質層上でTF-VIIa complexを形成して,引き続くX因子活性化など凝固カスケード反応を始動する.最近,このTF-VIIa相互作用に関する研究が進み,凝固系の開始反応の分子機作が明らかにされた.
本稿では生理学的な視点から,TFの新たな生体内での役割についてTFの受容体・シグナル伝達機能,TFの胚発達や血管新生での役割,およびVII/VIIaに依存しないTFの細胞機能について概説する.
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